- AIって投資先としてどうなの?
- AI関連の投信ってどんなものがあるの?
- そもそもAIって何なの?
こんな悩みを解決できる記事になっています!
実際に20種類ほどのAI関連投資信託を比較してみて、有望なものを3つ選んでみました。
この記事を読んでいただければ、AI関連投資信託について理解が深まり、ご自身の資産形成の武器を増やすことが出来ます。
記事前半ではAIについての基本的な知識を確認するよう内容になっており、後半ではAI関連投信について解説しますので、最後まで読んでみてくださいね。
執筆者
- 証券会社勤務15年
- 累計担当顧客数2700名
- 個人投資家中心に資産運用のアドバイス
そもそもAIとは?
まずはAIの基本的なことについて簡単に説明してきますね。
AIについて知ることで、AIの将来性などの理解が容易になるからです。
AIとは?
AI(人工知能)とは、学習・推論・判断といった人間の知能の持つ機能を備えたコンピュータ・システムのことを指します。
AIは今やスマートフォンや家電製品などさまざまなものに搭載され、私たちの生活になくてはならない身近なものになっています。
例えば、スマートフォンではAIがユーザーの趣味嗜好に合わせてネット広告を効率的に配信したり、オフィスではAIが手書きの文字を認識しデータ化し事務処理を効率的に行ったりするのに役立っているんですよね。
AIは人間のように自ら学んで発達していき、我々の身近なところでますます活用されていくでしょう。
大きな影響を与える生成AI
生成AIの誕生によりAIの技術革新は一段と進み、大きなトレンドとなっています。
生成AIの登場によって、データーセンター、クラウドといったインフラ整備が加速しました。さらに生成AIがAIを活用する企業へ広がり、幅広い企業への恩恵が期待されています。
オープンAI社が2022年に対話型生成AIである「ChatGPT(チャットジーピーティー)」を公開しました。ChatGPTは文書や画像などを新たに生み出すことが出来るという特徴があり、新技術として注目を集めています。
引き続き、生成AIは私たちの社会生活に大きな変化を与えていくでしょう。
生成AIとは
学習した範囲から回答を探し出す過去のAIとは異なり、機械学習によって0から1を生み出すことが出来る画期的な技術。人間にしかできないと思われたクリエイティブな分野にも活用が期待されいる。
拡大するAI市場
世界の生成AI市場の需要は2023年の106億ドルから、2030年には2110億ドル、約20倍に急速に成長すると予想されています。
実際に、製造現場における業務支援や製品開発支援に活用されたり、金融や公共、通信・放送分野などにおいて、作業の効率化や創作活動の拡大などで利活用されています。
AIの活用が進展するにつれて、民間企業のAIに対する投資が拡大しています。
AIの必要性を加速させる要因
- 人口高齢化
- エネルギー効率の向上の必要性
- 利便性の向上、都市化の推進
- 人的資本の生産性を高める必要性
- 景気後退時における事業コストの削減
AI関連株式の見通し
AI市場が拡大する中で、半導体などのインフラにかかわる企業、AIを利用したソフトウェアを開発する企業、自動運転、IOTなどのAIを活用する企業の株価の上昇が期待できます。
なぜなら、今後もAI関連の製品、サービスの需要は拡大すると予想されており、AIにかかわる幅広い業種で恩恵をうけることが期待されているからです。
実際にAI関連ビジネスを支えるAI向け半導体も、AIの用途拡大や高度化に伴い大幅に需要が伸びています。
つまり、AI関連企業の業績の拡大も加速することにより、株価の上昇が期待できるということです。
主なAI関連投信
AI関連投信は2種類に分けることができます。1つは、AI関連の企業を組み入れている投信、もう1つはAIを活用して銘柄を選別している投資信託です。
主なAI関連投信の一覧表
例えば、銘柄名にAIという言葉が入っていても、AI(人工知能)活用型世界株ファンドや、PayPay投信AIプラスはAIが分析して投資魅力の高い銘柄を選別している投信なので、必ずしもAI関連の銘柄が入っているわけではないので、注意が必要です。
主な組入銘柄
世界のハイテク企業をリードするマグニフィセント7の銘柄が主に組み入れられていることが多いです。
- エヌビディア
- アルファベット(グーグル)
- マイクロソフト
- メタ(旧フェイスブック)
大手IT企業は巨額の資金を投入し、発展の余地が大きい生成AIの開発に力を入れており、AI関連銘柄として注目されています。
実際、AI用半導体をリードしてきたエヌビディアの株価は、2010年から約202倍となっているんですよね。
今後もエヌビディアをはじめとする大手ハイテク企業がAI関連銘柄の中心として関心を集めていくでしょう。
おすすめのAI関連投信
直近の年間リターン、運用コスト、資金の流入額などをみて、3つ銘柄を選んでみましたので、参考にしてみてください。
ニッセイAI関連株式ファンド(為替ヘッジなし)
資金も流入状況がよく、直近1年間の実績がトップクラスに良いのでおすすめです。
TCWアセットマネジメント・カンパニーが株式の運用を行っています。ハイテク企業の拠点として注目されているロサンゼルス沿岸部の「シリコンビーチ」の近くに本社があり、AI関連企業のアクセスに優位性をもっているのが強みですね。
2024年7月末現在では34銘柄組み入れており、国別でみるとアメリカが86%程の組入比率になっています。上位の銘柄はエヌビディア、アマゾン、アルファベット、メタ、マイクロソフトなど王道の銘柄を組み入れています。
運用管理費用は1.9035%と低くはありませんが、直近1年間はコストを大きく上回るパフォーマンスが出ており、引き続き上昇が期待できそうです。
イノベーション・インデックス・AI
イノベーション・インデックス・AIはインデックスファンドのため、運用管理費用が0.8195%と低く、直近1年間も好成績で推移しています。
NISAの成長投資枠だけでなく、つみたて投資枠の対象銘柄でもあるので、つみたてに適していることもおすすめの理由です。
スイスの指数開発・算出会社の大手STOXX社が開発した、AI関連株価指数の動きに連動するように運用しています。2024年7月末現在では、組入銘柄数は62銘柄となっており、比較的幅広く投資しています。
運用管理費用が低いので、つみたてや中長期投資には向いているAI関連投信と言えます。
野村グローバルAI関連株式ファンド Bコース
直近の1年間の実績が良く、IT関連、産業関連、医療関連と業種が比較的分散されているのが特徴です。
AI関連の投信は大手IT企業や、半導体関連企業の組入が多い中で、野村グローバルAIは金融や医療関連企業の比率も高めになっており、他のAI関連投信とは一味違う投信になっています。
実際に上位の10銘柄の中には、米国の損害保険会社の「プログレッシブ」や株式や債券の指数を提供する米データ提供会社である「MSCI」などの金融関連や、米国の医薬品物流大手「マケッソン」などが組み入れられています。
AI関連の中でも業種を分散しながら運用していくので、中長期的に上昇が期待できそうです。
AI関連投信の注意点
ここでは、AI関連投信の注意点を3つお伝えします。
AI関連株式は値動きが大きい
AI関連株式はハイテク株(電気機器、精密機器、IT分野で高い技術力を持つ企業の株式)の割合が高く、値動きが大きくなりやすいです。
ハイテク株は金融政策の変更などのイベントが起こると、景気動向への反応などから値動きが大きくなる傾向があります。さらに、短期資金の出入りも激しく、値動きが荒くなりやすいです。
実際に直近の米国の利上げ局面である2022年3月の高値から年末までの下落率をみると、米国市場全体の動きを概ね反映しているS&P500が約17%下落しているのに対して、ハイテク株比率が高いナスダックは約28%下落してます。
AI関連株式は短期的に大きく下がる可能性あることを理解した上で、中長期的視点で望みましょう。
テーマ型ファンドは浮き沈みがある
AI関連投信はAIという特定のテーマに基づいて投資するため、そのテーマやトレンドが変化すると、投資対象のパフォーマンスは大きく変わる可能性があります。
例えば、コロナウィルスが蔓延していた時期は、オンライン関連などの非接触型のテーマの投資信託などが大きく上昇しましたが、コロナが落ち着いてくると期待が剝がれてしまい下落してしまったということもありました。
AIは中長期的なテーマとして期待はしばらく続くと考えられますが、トレンドが変わる可能性があることも認識しておきましょう。
アメリカの株式の割合が高い
AI関連投信はアメリカの株式がの割合が高いため、米国の市場環境、金融政策、政治等の影響を受けやすい傾向があります。
例えば、米国の大統領選などのイベントを控えると、不透明感などからリスクを回避する動きにより米国株式が鈍い動きになる場合があります。
米国の政治・経済動向にも意識を向けながら、投資を考えましょう。
AI関連投資信託はどこで買えば良いのか?
結論からいうとネット証券がオススメです。
ネット証券は基本的に買付の手数料がかからないところが多いからです
例えば、楽天証券やSBI証券などは投資信託の買付手数料がすべて無料になっています。
投資信託を買い付ける場合、ネット証券一択で考えていいでしょう。
まとめ
- AIは利便性の向上、仕事の生産性を高めるため、活用が広がっていく。
- AIの市場が拡大する中で、AI関連企業の恩恵がを受けることが予想され、AI関連投信の上昇が期待できる。
- 直近の実績、コスト、組入銘柄等を勘案して、3つ投信を選んでみました。
- ニッセイAI関連株式ファンド(為替ヘッジなし)
- イノベーション・インデックス・AI
- 野村グローバルAI関連株式ファンド Bコース
- AI関連は値動きが大きいことを認識し、中長期的視点で運用を考えよう。
- AI関連投信は、コストを考えてネット証券で買おう。
留意事項
- 投資信託はリスクを含む商品であり、運用実績は市場環境等により変動し、運用成果はすべて投資者の皆様のものとなります。投資元本と利回りが保証された商品ではありません。
- 買付する場合は、投資信託説明書(交付目論見書)等の内容(商品性、リスク、コストなど)を十分に理解し、最終的にはご自身で判断ください。
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